近所のコンビニや通勤・通学でバイクに乗ることに慣れてくると、ふと「景色のいい遠くの場所まで行ってみたいな」と思う瞬間が訪れます。でも、同時に「一人で遠出して、道に迷ったらどうしよう」「途中でバイクが壊れたら…」という不安も押し寄せてきますよね。
そんなツーリングデビューを控えたあなたへ、不安をワクワクに変えるための、ちょっとしたコツと心構えをお伝えします。
無理のない「ゆるい計画」が成功の秘訣です
初めてのソロツーリングで失敗してしまう一番の原因は、「計画の詰め込みすぎ」です。
「せっかく行くんだから、あそこも見て、ここでお昼を食べて、あのカフェにも寄って…」と予定をパンパンに詰め込んでしまうと、一つ予定が狂っただけで焦りが生まれます。その焦りが、無理な追い越しやスピードの出しすぎにつながり、事故の元になってしまうのです。
最初は「目的地は一つだけ」にするのがおすすめです。「海を見て缶コーヒーを飲むだけ」とか「有名なハンバーガーを食べるだけ」で十分立派なツーリングです。
また、距離設定も重要です。Googleマップで「所要時間2時間」と出ても、バイクの場合は休憩や信号待ち、着替えの手間などで、実際にはその1.5倍くらいの時間がかかります。往復で100km~150km程度、半日で帰ってこられるくらいの「お散歩ツーリング」から始めてみましょう。
そして、一番大切な心構えは「勇気ある撤退」です。
「雨雲が近づいてきたな」「なんか今日、体がだるいな」「思ったより道が混んでいるな」と感じたら、目的地に着いていなくても迷わず引き返しましょう。ツーリングの目的は、目的地に着くことではなく、「笑顔で無事に家に帰ること」です。
「また今度行けばいいや」という軽い気持ちでいることが、心の余裕を生みます。
道に迷っても大丈夫!「焦らず停車」が合言葉
ソロツーリングで最も多い不安が「道に迷うこと」ではないでしょうか。知らない土地、複雑な交差点、ナビの指示が遅れて曲がり角を通り過ぎてしまった…。誰にでも起こりうることです。
もし道を間違えたり、自分がどこにいるかわからなくなったりした時は、絶対に「急な操作」をしないでください。
「あ、ここ右だった!」と慌てて急ブレーキをかけたり、無理やりUターンをしようとしたりするのが一番危険です。後続車に追突されたり、バランスを崩して転倒したりするリスクがあります。
道を間違えたら、「間違えたまま進む」のが正解です。そのまま真っ直ぐ進んで、安全に停車できる広い場所(コンビニや路肩のスペースなど)が見つかるまで走り続けましょう。
バイクを安全な場所に停めて、サイドスタンドを立て、一息ついてからスマホで地図を確認すればいいのです。数キロ遠回りしたところで、バイクならすぐに取り戻せますし、その迷い込んだ道で素敵な景色に出会えるかもしれません。
「迷ったら、止まる」。これさえ覚えておけば、知らない道も怖くありません。最近はスマホホルダーを付けてナビを見る方も多いですが、走行中の画面注視は非常に危険ですので、必ず停車して確認する癖をつけましょう。
「もしも」に備えて、行き先は誰かに伝えておこう
一人の時間は自由で気楽ですが、トラブルが起きたときも一人で対処しなければならない心細さがあります。
万が一、山の中で転倒して動けなくなったり、携帯の電波が入らない場所でトラブルに遭ったりした時のために、出発前に「命綱」を張っておきましょう。
それは、「家族や友人に、大まかな行き先と帰宅時間を伝えておく」ということです。
「今日は〇〇方面に行って、夕方17時くらいには帰るよ」とLINEを一通送っておくだけでも構いません。もし予定時刻を大幅に過ぎても連絡がない場合、誰かが異変に気づいてくれるという安心感は、精神的な支えになります。
また、加入している任意保険やロードサービスの連絡先を、スマホの電話帳に登録しておく、あるいはカードを財布の取り出しやすい場所に入れておくことも忘れずに。トラブルが起きたとき、現場で電話番号を調べるのはパニック状態では意外と難しいものです。
そして、バイクのトラブルで多い「ガス欠」を防ぐために、早めの給油を心がけましょう。特に地方に行くと、夕方には閉まってしまうガソリンスタンドや、日曜日は休みの店舗も少なくありません。「半分減ったら入れる」くらいの慎重さがあれば、山道で冷や汗をかくこともなくなります。
一人で走る風の音、ヘルメットの中で歌う鼻歌、見たことのない景色。ソロツーリングには、誰かと行く旅とは違った深い味わいがあります。
しっかりと準備をして、心に余裕を持って、あなただけの小さな冒険に出かけてみてください。
